ヤマダストアー

経営理念

経営理念
「忘己利他」

いかなごの大不漁時の販売休止

2017年度のいかなごの大不漁時における販売休止の決定も、この「忘己利他」の精神に基づいています。私たちは年々、相場が上昇し漁獲量が減少していく「生いかなご」を大変危惧していました。海産資源は本来、魚が成長し増える量よりも少なく獲れば回復可能な資源にも関わらず、資源の減少を感じていた当社の鮮魚バイヤーが販売休止を決断したのです。企業規模は小さいヤマダストアーですが、中止を決断した食品小売業は近隣では当社だけでした。

2017年・2018年・2019年・2020年・2021年・2022年・2023年も76年連続生いかなごの販売を休止しています。(2018年より新子釜揚げ・いかなごのくぎ煮の販売も休止しています)

生いかなごの売り上げは3月の鮮魚部門の売り上げの大半を占めるもので、自分たちの成績評価にも関わってきます。
そして店舗ではお客様への影響を心配する店長達からの声も集まってきました。
当社の鮮魚バイヤーは「忘己利他」の精神を深く理解していました。

理解してくれたお客様

私たちヤマダストアーの鮮魚部門は評判も良く、地域のお客様・取引先様・漁師様とともに今日があります。しかし何よりも忘れてならないのは、今のヤマダストアーがあるのは「瀬戸内の恵み」があってこそだということです。
そしてこの決断は大きな反響を呼びました。店舗では多くのクレームを危惧していた店長たちにお褒めの言葉が入
り、多数の応援メッセージまでいただきました。

各種SNSでも話題となりリツイート数も4,000を超え、すべてが私たちの行動を認め賞賛してくれていました。

そして奇跡が起きたのです。

なんと3月度1,500万円程の実績のあった「生いかなご」の販売を休止したにも関わらずその月の鮮魚売上昨年比「100%」を達成したのです。これは考えられ
ないことでした。多数のお客様も年々減少を続ける天然海産資源を危惧し積極的にヤマダストアーを応援してくれたことをヤマダ鮮魚従業員達は痛感したのです。

不安や恐れは人間をネガティブな方向へ導きます。
しかし全員の利益になると信じ、勇気をもって実行すれば理解してもらえることを、この事例は私たちに教えてくれました。

この「忘己利他」の精神は経営幹部からパートナーさんに至るまで深く浸透し、今後も実践されていきます。

この理念こそが私たちの価値であり信念です。

ヤマダストアーを支える6本の柱

ヤマダストアーがヤマダストアー以外のすべてのもので成り立っているとしたら、それ以外のものとは一体何でしょうか?

  • お客様の
    満足度の追求
  • 従業員の
    幸福と卓越性
  • お取引様の
    繁栄
  • 企業価値の
    創出
  • 地域との
    関係性
  • 地球環境の
    保全

これを私たちはヤマダストアーを支える6本柱と呼んでいます。
そしてヤマダストアーは次世代の食品小売業を目指すにあたり、特に最後の2つ「地域経済の発展」と「地球環境の保全」にも力を入れています。

安くモノが買えることは良いことですが、行き過ぎは地場経済を衰退させます。安い労働力や安い原材料を求めて他の地域や海外に依存すると、モノが安く買えることで 一見、豊かになったように感じますが、実は「富」は地域から流出しています。しかも、それはその商品が不透明であればあるほど、現地の労働者や環境へ還元されることなく「富」はある一部の人へ集中します。私たちは地域と密接な関係にある食品小売業の発展は、地域経済の発展に依存していることを知っています。

地域が貧しくなっているのに、私達だけが発展することはありえないのです。
だから私たちは地域で生産している農作物や水産物、また地域で営業している小規模商店の食材を積極的に選択し応援します。

「地域経済の発展」は食品の透明性・安全・安心にも繋がり、お客様満足の追求にも矛盾しないものだとヤマダは考えています。
そしてその地域の生産者が生産する真の自然食品は地球環境の恩恵なくして成り立ちません。

化学肥料や農薬で土壌が劣化していくのに良い農作物が持続的に生産できることはありえないし、水産資源の乱獲を続ければやがて私たちに素晴らしいエネルギーを与えてくれる天然水産資源は枯渇します。

だから私たちは「地球環境の保全」に理解のある生産者を積極的に応援することで、持続的に良質な自然食品の供給を可能にしたいと考えています。それはお客様満足の追及にも矛盾しないものだとヤマダストアーは考えています。食料品業界の与える環境へのインパクトはどんな業界よりも大きく、過大な負荷を地球に与えています。私たちは食品の透明性を高めることでお客様へ選択肢を提示し、食品を通して「地球環境の保全」を実現したいと考えています。

この6つの柱はどれも重要で、ヤマダストアーはこの6本柱で成り立っています。
私たちは今後もこの6つの柱の利益が矛盾しないようバランスをとりながら、企業運営を行ってまいります。